劔志館伸心塾通信:なぜ伸心塾を興したの？(３)

2019年07月04日

なぜ伸心塾を興したの？(３)

私に先んじて地元に帰った子どもは、かつて私が学んだ道場に入会したわけですが、
直面したのは指導環境の劣化という問題でした。

既に中学生だった長男曰く、

道具を大切に扱えって教えられたのに、先生に自分の木刀を投げられた。
(しかも他の子の頭を面の上から木刀で殴った後）

礼儀の大切さを教えられてきたのに、先生が人を敬う気持ちがない
（畏敬強要に礼儀を利用してる）

意味のない暴力が普通～
（鍛えるための稽古と感情の爆発とを混同してる）

中学生に指摘されることがまず情けないですが・・・。

しかも、

まともに指導してくれていた先生方が次々と去ってゆく

新たに参加の高段をもっている先生も、

指導力・説明力不足で言ってることがわからない

保護者や子供とまともにコミュニケーションが取れない

跳躍素振りの最中に足蹴にされて飛んでいく

そしてどうして怒られているのか、わからないまま子どもが辞めていく・・・。
(叱ると怒るは違うものです。）

段位と指導者として能力が必ずしも比例しない！
ことが残念なくらい立証されている状態でした。

改善を目指したもののお話にならず、全く無理な状況で・・

子供からは「なんでこんなとこに帰ってこなあかんかったん」と恨まれてしまう始末。
ＯＢとして、親としても残念でした。

恵まれた環境で稽古出来てきた私や我が子にとっては、
こんな環境でしか剣道が出来ない子どもたちや保護者は不幸でしかない・・と思われる状況でした。

他には、練習日が少なく短く練度が不足した教室しかない。
これでは、環境が恵まれているとは言い難いですね。

後に私は帰省後事業を立ち上げ独立、
帰省後５年間悩みに悩みましたが、地元を愛する気持ちを持って戻ってきたからには、
葛城市周辺地域の人、社会に益のある環境をつくらないと、
ほんとうは素晴らしい「剣道」が誤解されたままになってしまう。

義理は果たしましたが、
偏執な認識がある人があれば一次的に裏切り者呼ばわりされるリスクは敢えて犯してでも、

自分が関わる子どもたちには、良い環境で学んでもらいたい。
将来、剣道を教えるだけでなく、
人として立派な大人になってくれるように
自分が学んできた教えや技術を伝えてあげたい。
さらに、人間一生勉強、自分自身も発展途上、子供から自分が学ぶことも必ずある。

そんな想いから
剣道をもっと子どもたちに学んでほしい、
もう一度竹刀を握ってみようという大人の集まる場になれば・・・と
「劔志館伸心塾」を興すこととしたのでした。